想いは実現するについて

坂本政道さんの『超意識あなたの願いを叶える力』を読みました。

ちまたで『成功哲学』と云われる考え方と坂本さんがヘミシングを通じて身につけられた新たな価値観との間の「差」を説いたような非常に面白い本でした。このような事を書かれる方が出てくることを本当に待っておりました!久しぶりの当たりの本でした。

坂本さんは、成功哲学に欠けているのは、第一に「努力」を上げています。これは絶対に正しいと思います。

私は、十代の頃にこの系の本を沢山読みました。今でも読んでいて良かったと思える本もありますし、是非、特に若い頃の十代や二十代前半の人は機会があれば、一度手にとって頂いた方が良いと素直に思えます。しかし、この成功の法則には、トリックがあると思います。
これらの書物は、全て正しいと思うのですが、完成度は、80%程度なのです。肝心な所が欠けている状態で説かれております。それが何故かといえば、たぶん仕掛け人達の意図でしょう。あれだけのロングセラーの本ですので、継続的に儲けようと戦略を立てている仕掛け人側の存在が必ずあるように思える様にいつしかなりました。肝心な二割程度の大切な要素を省いているので、読者は常に渇望し続け、何度も繰り返して本や関連商品を買ってくれるという構図が出来上がるのです。正に、リピートビジネスです。

自分が実際に想像から現実世界の創造につながる仕組みを体験を通じて学び始めた頃に、成功哲学の欠けている点がどんどん目立つ様になってきたのです。ただ、この仕掛け人達は、真実の世界をある程度知っているのだろうと思います。そして、半完成品の商品を市場に供給しているのです。正に資本主義の思想です。

これらの仕掛け人のほとんどは、アメリカを基点に活動していた人々と思われますので、アメリカの一般大衆の価値観や生き方、考え方をベースにリピートビジネスを仕掛けたということも随所に見えるようになりました。自分はアメリカを含め海外に9年間、仕事の関係で生活しておりましたので、その時の体験がこういったことを分析するのに役に立ちました。アメリカ人が、これらの本にはまる確立は、たぶんアジア人の数倍になるだろうと思います。

アメリカでスタートした「成功の法則」ビジネスの内容は、8割程度の完成度で造られていますが、日本人に取っては非常に有効なものと感じています。なぜならば、日本人は、元々気質的に勤勉さや生真面目さを持っているので、その2割の隠されている部分が自然と補われてしまうからです。

正に、坂本政道さんが指摘されている「努力」の部分です。

一つ簡単な例を上げれば、ある人が、日本で弁護士になりたいと思ったとします。
以前、「眠りながら成功する」というタイトルの本がありました。では、眠りながら、潜在意識を使うだけで、弁護士になれるでしょうか??この人は、成功の法則を読んで、毎日、朝晩、日中、時所を問わず、潜在意識に焼き付くように自分が弁護士になり、弁護士の仕事をやっていることを思い描いているとします。

日本の国では、弁護士は、司法試験に合格することが条件になっています。これは、国の制度ですので、基本的に例外は無いでしょう。では、国の制度とは一体何かといえば、日本の国民が少なくともそれを認め、「それで良し」と同意している事柄になります。つまり、一億人強の日本の国民の意識が形になったものといえます。これを仮に「集合意識」と云うことにしましょう。

上記の両者を比較して見てみると、

①眠りながら弁護士になりたいと潜在意識を一生懸命活用している –> たった一人の意識です

②司法試験に合格という規定 –> 一億人強の日本国民が同意している集合意識(無意識界の事象も含む)

つまり、1:一億強 という事なのです。ですから、どれだけこの人が強く念じたとしても、一億を超える人の集合意識の価値観を変えることは簡単にはできません。なので、司法試験に合格という集合意識が認める基準を満たすことなくこの願望が叶うことはほぼ無いでしょう。

多くの人の意識の集まりである集合意識が、弁護士になるためには、一生懸命勉強して難しい司法試験を合格することを顕在意識や無意識の世界で認めているので、これを真面目にやった人だけが、弁護士になれる訳です。

 多くの人々の同意=集合意識=力

 集合意識の力>自分の意識の力

上記の通りですので、もし、弁護士という概念の無い世界、例えばアマゾンやどこかのジャングルの奥の未開の地に行き、そこに住む人達に向かって、「私は弁護士です」と言えば、たぶん弁護士というタイトルは即座にもらえることでしょう。

ですから、自分の願望の方向性が、集合意識が向かって方向に相反している場合、この理屈がより強く働くということになります。

ならば、自分の願望が集合意識の進もうとする方向に合っていた場合どうなるかですが、それは、非常に単純です。自分自身が強く想い、潜在意識に強く刻んだことは、必ず現象化する方向に向かいます。想像=創造 なのです。

想像から創造、現象化に移り変わってゆくのですが、もし、その自分の思い描くゴールが、集合意識が定めている価値基準に照らし合わせて見たときに、そのゴールが、今の自分よりも能力的にも経験的にも、また、人間の器的にも数段上のものであった場合、自分の潜在意識は、自分がそのレベルにUPするために必要と思われる様々な体験や試練を自分の人生に与えて来ます。つまり、足らない部分は、自分自身がそれに足る人物になるまで、徹底して鍛えられると言うことです。

成功哲学の実践者の体験を詳しく見ていると、この様な試練を体験していることを見つけることが出来ます。ただ、多くの実践者は、本当の仕組みを知らされていないので、試練が次から次に発生してくると、「なんかおかしい」「こんなはずは無い」と思ってしまい、試自分の前に立ちはだかる試練に立ち向かって乗り越えて行くことよりも、もっと簡単な成功哲学が無いかと新しい書物を探すことを始めるのです。アメリカ人の大半はこのように動くと思います。正に完璧に計算されたマーケッティング戦略です。この仕掛け人達こそ、本当の天才達と思います。

私は、想いの実現、現実化を多く体験してきましたので、この様な試練の仕組みも何度も体験してきました。その当時は何でこのような事が起こるのだろうかと思ったり、それすら考える余裕が無いほど、慌ただしく年月を重ねたこともありました。しかし、何年も経って、一つの事が形に結んだ時に今までの経緯や自分自身の成長の過程を思い返せば、それらは全て自分の目標達成につながっていたということが見えてくるのです。

集合意識の概念を理解しておくことは、非常に大切なポイントになります。理解集合意識について、もう少し幅広く深く、また、身近に感じられるように、別の例を出します。「宝くじの当選」についてです。

では、宝くじの当選とはどういう事でしょうか?

宝くじの原理は、一言で言えば、利益(集めたお金)の再分配ということです。多くの人から集めたお金を、特定のごく少数の人のみに再分配するというシステムです。そして、誰がその分配を受け取り、当選者が受け取っているものが一体何であるかということがポイントになります。

この再分配の仕組みを、無意識の世界から説明すると、宝くじによって集められたお金は、中には例外もあるでしょうが、ほぼ、一人ひとりの「お金が欲しい」という切なる想いや意識が形になったものといえます。つまり、宝くじとは、この「お金が欲しい」という意識を一つに集める行為になります。そして、当選者は、何を得るかというと、物質の現金を貰うわけですが、同時に、参加者全員のお金が欲しいというエネルギーも受け取っているのです。

一人の人の意識のエネルギーと集団化した意識のエネルギーではどちらが強いでしょうか?
影響力があるでしょうか?

以前、テレビで宝くじの高額当選者の方々が、主催銀行からどのような待遇とレクチャーを受けるかという内容を番組にしたものがありました。正に滑稽とも思える内容でした。高額のお金が突然自分の所に入ってくると人生を踏み外す人が多いので、そうならないようにと銀行の方は、当選者にレクチャーしたり、そういうことを説明する本や資料を渡すと言うことでした。現在もこれが続けられているかは分かりませんが、何故、そのような事が必要かと言えば、過去の高額当選者の当選後の人生模様から学んだ結果だろうと推測出来ます。人の意識がエネルギーであるということから説明すれば、お金を手にすると同時に今までの自分を維持する事が難しくなることも容易に理解出来る訳です。

坂本さんの本にも書かれておりましたが、自分一人だけの事象の世界のでは、想いは、比較的簡単に実現できるといえます。自分一人が、創造の中心で、一人の意識の世界ですので、邪魔が無いわけです。つまり、他が介在しない世界、自分一人の世界に自分一人で創造するものであれば、もっと簡単に実現することが出来ます。

例えば、身近なもので言えば、自分の身体との向き合い方があります。意識と身体の関係はとても重要です。病気の原因にも意識が介在している場合が大変多くあります。自分の生き方や思考上の癖が変わることにより、体調が変わった体験をされた方が多くいらっしゃいます。私も自然治癒を17歳の時から実践しているので、身体のコンディションと精神や考え方の関係が如何に大切かを体験を通じて学びました。

それから、少々極端な例になりますが、ヨガの達人などが行うパフォーマンスに物質化現象というのがあります。これも自分対物という一人の世界です。物質の周波数は人間の意識の様に頻繁に変化、変動せず、ある程度一定ですので、その物質と意識との関係がうまく成立した時点で、物質を変化させることが出来ます。インドの聖者と呼ばれていたサイババは、灰を出すと言うことがよく知られておりましたし、以前、空気中からニオイの気を集めて、無から香りを創り出すインド人が居たことも知っています。私の先輩の報道カメラマンだった人は、インドの取材中に街中で空中浮遊する人を見たこともあります。よく釈迦座りをして腹筋を使ってぴょんぴょん跳ねる人の話が出ますが、ああいうトリックでは無く、屋外の広場で二本足で立ったまま空中に浮いたと言っていました。

【まとめ】
想像は創造に通ずだと思います。そして、その願望の実現に対し自分の足らない部分は、足りるようになるための仕組みが人生において必ず出てきます。ですから、努力は絶対必要条件となります。

また、この世界は、相対的な事象で出来上がっています。自分の願望の内容が「他=集合意識」が介在するものであった場合は、他が信じている世界の常識や仕組みにあわすことが大前提となります。

この世界が相対的世界であることの説明は、別のページに詳しく説明してあります。
「三次元にて自分が創り出す体験のしくみ 序」
 http://superhealth.jp/?p=352

また、更に奥の世界の事象を言えば、宇宙の仕組みの中でこの物質の世界で肉体を物質を維持するために、私たち人は、自分が持つエネルギーを100%出し切っています。表面ではない奥の意識の部分です。ここには「自己限定」はみじんも存在していません。赤ちゃんであろうが、普通の会社員であろうが、アィンシュタインも寸分の違いもなく、皆、偉大な創造者なのです。既に私たちは、平等に創造の力を持っています。今現在、自分がこの三次元の世界に居ると言うこと自体がその証なのです。

ですから、「私には出来ない」と自分を卑下したり自己限定する態度は、生まれてから学んだ現代の文化の価値観の中で植え付けられた『錯覚』といえます。

私が十代の頃に読み、自分の生き方の基礎が出来るときに非常に役に立った本は、N.V.ピールの『積極的に考える』、ブリストルの『信念の魔術』、ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』、ジョセフ・マーフィーの『成功哲学』でした。中でも『積極的に考える』は、何度も読み返しておりました。

超意識あなたの願いを叶える力

超意識あなたの願いを叶える力
著者:坂本政道
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積極的に考える新訂版

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著者:ノ-マン・ヴィンセント・ピ-ル
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信念の魔術

信念の魔術
著者:クロード・ミロン・ブリストル
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思考は現実化する新装版

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著者:ナポレオン・ヒル
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