田畑の除線に向けた取り組み
本日、循環農法の赤峰勝人さんの2011年度の東京講演会が、下記のテーマで三郷市文化会館の方で開催されまいた。
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『循環のはなし』
このままでは、人も地球も滅んでしまう!
知ったものの天命として
伝えならなければならないことがある。
地球、食、身体、心、生き方。
すべては循環の中に。
循環の危機を感じた百姓が、畑で学んだ全てを語る熱いメッセージ。
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今年は、実行委員の打ち合わせの集まりでも、初期の頃から、土地の除線、如何に作物を放射能汚染から防いで行けるだろうかという、農家の方々の切実な気持ちが映っていたため、少しでも何か有効な方法が無いだろうかと、知人と福島、茨城、栃木の農家さんのご協力のもと、実際に農家の方々が取り組んでおられる放射能除去に有効と思われる方法と実践データを集め、講演会当日に会場に掲示板として情報の掲示をさせて頂きました。
今回、掲示した内容は、主に下記の3つの手法となりました。
実際のデータに関しては、紙面がありませんので、省略し、概要のみ簡単にご紹介させて頂きます。
① 軟質多孔性の古代海洋腐植質の利用
軟質多孔性の古代海洋腐植質とは、数千万年前の海洋動植物(貝類・海藻・プランクトンなど)が海底に埋没体積し、長い年月をかけて分解・代謝・再合成を繰り返してできた「海泥」のことで、良質な、天然無機資源を指します。海泥は、各種ミネラル成分を豊富に含み、現在は、農業用資材としての利用だけでなく、石けんや美容商材にも使用されております。この軟質多孔性の古代海洋腐植質には、『ソマチット』と呼ばれる、古代の微生物が生存しているとも言われ、良質のミネラル分だけでなく、そういった未知なる存在の影響や効果もあるのかも知れません。軟質多孔性古代海洋腐植質を田畑に播くことによって、除線効果が現れたという報告が上がってきております。
② バイオダイナミック農業の実践
バイオダイナミック農業に関しては、過去最大の原発災害を起こしたチェルノブイリから放出され放射性物質への対応策の一つとして、ヨーロッパの方で多くの実践家の方々が、放射能汚染土に対しても有効といえるデータを発表しております。特にドイツのFAL(連邦農業研究所)が、2006年に発表した汚染地域でのバイオダイナミック農業の有効度調査の内容には、大変興味深い結果が示されております。
バイオダイナミック農業とは、教育、医療、哲学、等の多くの分野で業績を残した、ドイツのルドルフ・シュタイナー(1861~1925)が提唱した有機農法のことで、ヨ-ロッパを中心に米国、インドなど世界各地で広まっております。バイオダイナミック農業では、今までの有機農法をさらに一歩進め、より深く自然界の仕組みを理解した原理原則に合わせて農業を実践することを伝えております。このバイオダイナミック農業の実践者の中でもマリア・トゥーン女史(ドイツ)の実践法は大変有名となっております。
③ 発酵技術の応用
日本の食文化と発酵の関係は大変古く、深く、世界の中でこれほど「発酵食品」が生活の中に浸透している国は日本だけではないかと思います。終戦時の広島原爆投下の惨事を乗り越えてきた方々の味噌や醤油、日本酒などの多くの発酵食品を食べて乗り越えて来られた方々の体験談を一度は耳にされたことがあるのでは思います。除線において、発酵が如何に有効であるかの明確な原理や科学的な解明に関しては、今後にそれを志す人に委ねてゆきたいと思いますが、既に、発酵技術によって汚染土、汚染水の除線が成功したというデータが出てきております。